旅のあれこれ

川倉賽の河原地蔵尊

 川倉賽の河原地蔵尊は、青森県五所川原市にある霊場です。

 川倉賽の河原地蔵尊
 青森県五所川原市金木町川倉七夕野426−1

 芦野公園に接した芦野湖東岸の、半島状に突き出た小高い丘の上にあります。

 賽の河原は、金門の上に位置し死者の魂が集まるとされている河原です。

 三途の川のほとりにあり、親に先立ち亡くなった子どもが集まるとされています。

 三途の川は、此岸=現世と彼岸=あの世を分ける境目にあるとされる川です。

 その子どもたちは、親を残し先に亡くなった罪を償うため、石の塔を建てる石積みの刑を受けています。

 子どもは両親のために祈りながら、自らも成仏を願って河原の石で仏塔を造るのです。

 そこでは地蔵菩薩が、受刑者の救済人として手を差し伸べるのです。

 賽の河原は恐山と同様に、津軽半島のもう一つの霊場であり、イタコの霊媒が有名です。

 イタコとは、青森県に実在する女性の霊媒師です。

 イタコには、さまざまな役割があります。

 ホトケの魂を降ろして憑依させ、ホトケの言葉を自らの口を通して伝える口寄せが有名です。

 最盛期には、南部地方だけで数十人のイタコがいました。

 高齢化が進んだこともあり、今では常時活動しているイタコはわずか4人に過ぎません。

 言い伝えでは、数千年前に不思議な御燈明が飛来し、光に照らされた場所で発見された地蔵尊を安置しました。

 多くの津軽衆が、先祖の御霊の声に涙する光景が見られます。

 津軽の人々が、あの世に思いをはせる場所がここだからです。

 幼くして亡くなった子どもの供養のために、お地蔵さまが奉納されているのです。

 その数は、実に大小2000体を越えています。

 供養祭は、毎年、旧暦の6月に開かれます。

 旧暦6月22日から24日までの例大祭には、県内外から多くの参詣客で賑わいます。

 その日には津軽一円のイタコが地蔵尊の裏に集合し、口寄せを行います。

 お地蔵さまの衣替えを行って、今は亡き大切な人の声を聞き、語らいの時を過ごすのです。

 アクセスは、津軽鉄道芦野公園駅で下車し徒歩約20分です。

 自動車なら、東北道浪岡ICから国道339号経由約1時間です。

青森県 津軽霊場【川倉賽の河原地蔵尊】(外部リンク)

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