ビワ
ビワ(枇杷)は、バラ科ビワ属の常緑高木です。
果樹として栽培され、高さ10mほどになります。
原産地は中国南西部で、葉は濃い緑色で大きく、長い楕円形をしています。
中国では古くから栽培され、6世紀には栽培品種がみとめられます。
日本には古くに中国から渡来し、野生化したといわれています。
日本に渡来したときは果肉が少なかったことから、食用で流通することはありませんでした。
その後品種改良が重ねられ、現在の形になっています。
食べると、酸味が少なく渋みがあります。
表面にはつやがあり、裏には産毛があります。
秋から冬にかけて、黄色がかった白い花を密につけます。
初夏には、大きな葉陰に一口大の多くの甘い実がなり黄橙色に熟します。
枇杷の由来は、大きな葉っぱの形が楽器の琵琶に似ている様子から名付けられました。
他説には、葉ではなく実が楽器の琵琶に似ていることから名付けられたとされます。
日本では、四国や九州に帰化植物として自生しています。
生態系被害防止外来種リストでは、産業管理外来種に選定されています。
果実は甘く、生食や缶詰にされます。
茶色い種子は、生薬の杏仁の代用として利用されます。
葉は薬用として重宝され、ビワ茶にしたり浴湯料にします。
果実酒は、氷砂糖とホワイトリカーだけでも作れます。
果実のほかに、皮むきレモンの輪切りを加えて漬け込むとよいとされます。
一時期には、がんに効果があると言われて食べる方もいました。
しかし現在では、その効果は否定されています。
また、材は粘りがあり折れにくいので、櫛、印材、杖などに利用されます。
なお、枇杷の種子には、アミグダリンという有害物質が含まれています。
花言葉は、「密かな告白」「治癒」「温和」などです。
「密かな告白」は、咲いていることに気づかれないほど小さい花であることから付けられています。
「治癒」は、古くから葉っぱが薬として利用されていたことから付きました。
「温和」は、穏やかでやさしい味わいの実のイメージから生まれました。

科・属 バラ科・ビワ属
学名 Eriobotrya japonica
英名 Loquat
和名 ビワ、枇杷
原産地 中国、東南アジア
開花 11月~1月