中町こみせ通りは、青森県黒石市に江戸時代前期から続くアーケード状の通路です。

 中町こみせ通り
 青森県黒石市中町

 黒石津軽家の、江戸時代からの昔ながらの風情が保たれています。

 伝統的建造物とアーケードが、藩政時代からほぼそのままの形で今に残っています。

 1656年に、弘前藩の支藩として津軽信英が黒石領主となり、陣屋を中心に栄えました。

 こみせを主体とした中町の町並みは、日本全国の中でも類を見ない伝統建築物群です。

 こみせとは、町屋と商家の軒の外側に、雪や雨をしのぐために作られたアーケード状の通路のことです。

 昔の商店通りだった中町こみせ通りは、買い物に来た人のために自分たちの敷地内にアーケードを作ったのです。

 これは雪国特有のもので、中町通りの家々は特に保存状態が良くなっています。

 藩政時代に考えられた、いわば木造のアーケードと言えるものです。

 現在、一つの町内にまとまって存在するのは中町だけとなっています。

 敷地は私有地で、屋根は本屋とは別になって両隣と連続しています。

 通路の空間は、通りに軒を連ねていた旅篭や呉服屋、商家にとってはなくてはならないものでした。

 国の重要文化財である高橋家住宅や、造り酒屋、蔵などが並んでいます。

 高橋家住宅は、江戸時代中期に建築され、築270年以上経過の建物です。

 高橋家は、代々、理右衛門を名乗り、黒石津軽家御用達の商家でした。

 2005年に、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。

 黒石市大字前町から大字寿町の0.6km区間が、1987年に日本の道100選に選ばれています。

 こ日本の道100選は、旧建設省と道の日実行委員会により制定されたものです。

 2015年からは電線の地中化が始まり、2020年9月末にすべての電柱が抜き取られました。

 同10月から道路の美装化を行い、2021年3月で工事が終了しました。

 両側に石畳風の路側帯が整備され、安全な歩行空間が増えています。

 アクセスは、弘南鉄道弘南線黒石駅から徒歩約10分です。

 自動車なら、東北自動車道黒石ICから車で約10分です。

【青森県黒石市】中町こみせ通りで江戸の街並みを感じました【江戸のアーケード】